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キャリブレーションの方法には「螺旋状(スパイラル)」と「一点」と呼ばれる2つの方式をご用意しています。視線追跡の「精度」を求める場合にはデフォルト設定された「螺旋状(スパイラル)」方式をご利用下さい。精度以上にユーザーにとってのUXを重視する場合はキャリブレーション作業がより簡便となる「一点」方式を推奨しています。
「螺旋状(スパイラル)」キャリブレーションとは?
一般的に「Smooth Pursuit」キャリブレーションと呼ばれる方法で、注視点が画面中央から渦を巻くような動きで画面の外側に向かって動き、ユーザーはそれを眼で追いかけます。FOVEプラットフォームv0.17以降ではこちらの方式を標準としました。それ以前は一般的に広く利用される「Series of fixations」方式を採用していましたが、視線追跡精度がより正確で堅牢な方式を採用するために現在当社では同方式を非推奨としています。
- 「螺旋状(スパイラル)」キャリブレーションの利点
注視点が画面中央から外に向かってスパイラル状に動き、ユーザーはそれを眼で追いかけます。スパイラル状に眼を動かしている間に、様々な角度や距離から多くの眼球情報を取得することで、特に画面の周縁(端)に向かって正確な視線追跡データを得ることが可能です。尚、ユーザーが途中で注視点から眼を逸らてしまった場合でも、自動フィルタリング機能によって問題なくデータ取得できた部分だけを利用してキャリブレーションを完了する堅牢性を備えています。
- 「螺旋状(スパイラル)」キャリブレーションの欠点
ユーザーはキャリブレーション中に注視点を常に眼で追いかける作業(所要時間:約8秒)が必要なため、身体的な負担が多少掛かります。ユーザーへ繰り返しキャリブレーションを求める場合には疲労の原因となる可能性があります。
「一点」キャリブレーションとは?
こちらは「FOVEプラットフォーム プロフェッショナル版」に搭載されている新しい方式です。画面中央に配置した注視点を1〜2秒間見つめるだけでキャリブレーション作業が完了します。
- 「一点」キャリブレーションの利点・欠点
キャリブレーション作業自体を短時間で終えることができる為、ユーザーにとってはより良いユーザーエクスペリエンスを得られます。アプリ開発において、特に不特定多数の方がデバイス利用することを見込んでいる状況ではとても役立ちます。一方で、視線追跡精度については画面周縁部での精度が若干低くなりますので、利用用途によって使い分けて頂くことを推奨しています。
追跡精度の違いについて
以下ベンチマークは2方式それぞれでの視線追跡の平均精度を比較しています。画面中心から縦横±25度までの範囲で、精度誤差0度~3.0度をヒートマップで表現しています。
Smoot Pursuit Calibration |
One Point Calibration |
どちらの方式でも画面中央付近は非常に正確な精度結果を得られています。一方で、画面の周縁に向かうにつれて「螺旋状(スパイラル)」方式が「一点」方式に比べて精度を維持している(濃い緑色の箇所が多い)ことが分かります。
このベンチマーク手法や数値がどのように算出されているかについてご興味のある方は、当社が2021年のETRA学会で発表したこちらの論文をご参照下さい。(リンク先のPDFアイコンをクリックするとフルテキストが表示されます)
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